今週は、レインボーのBring on the nightをお届けします。
レインボーは、ディープパープル脱退後のギタリスト、リッチー・ブラックモアが作ったハードロックバンドなのですが、カリスマギタリストのリッチーのコンセプトを実現するために集められたプロ集団の意味合いが強く、メンバーはしょっちゅう変わっていました。2年前に紹介したシンス・ユーブ・ビーン・ゴーンでは、ジェフ・ベック・グループ、ブラックサバスなど大物バンド出身の重鎮ヘビー級ドラマーであるコージー・パウエルとリッチーが殴り合いの大喧嘩をし、「収録に応じないならお前クビ」との確執が起きたという逸話が残っているお話をしました。
リッチー・ブラックモアの当初の理想は「中世様式美 系ハードロック」で、(中世のロックが今のクラシックだろ!という突っ込みはさておき)それまでロックと言えばペンタトニック・スケールだったそうです。アメリカ国防総省の五角形ビルがペンタゴンと呼ばれているように、ペンタとは5のことですから、5つの音を使った音階のことで、今でもよく使われている音階なんですが、リッチーは半音づつ♪タリラリラ、タリラリラと奏でるクロマチックスケールなどを取り入れ、バロック音楽っぽさを感じる曲が結構あります。
今日の曲は82年リリースのレインボーの6枚目のアルバムStraight between the eyes収録されています。中東のような短調の音階を使った曲ですね。副題にはDream Chaser、夢追い人とついています。アラビアンナイトのような印象をボクは持ちました。
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俺は一か八かの勝負をしていたのさ
絶体絶命のピンチだった
でも諦めやしなかったのさ
最後の力を振り絞ったさ
奴らは俺を仕留めるつもりだったみたいだが
そうはさせやしないさ
お前も俺についてこいよ
灯りが消え、影の中に
夜よ降りてこい
灯りを消し、夜の闇に紛れてしまおう
夢追い人に身を任せよう
日が沈めばまたあたらしい駆け引きが始まる
辞めたきゃ辞めればいいさ
でもルーレットに身を任せたとしても失うものなんて何もありゃしないだろ?
退路を断って決心しろよ
そうさ、そうすれば俺は自由だ
明日との渕で、風と競争しているのさ
今の俺に何が必要なのか
俺は必ず勝ち抜いてやる
大空をはばたいているとき、俺は何も怖くない
昨日はもう過ぎたことだし、今更悔やんでも仕方ない
前を向いて進むだけさ
灯りが消え、影の中に
夜よ降りてこい
灯りを消し、夜の闇に紛れてしまおう
夢追い人に身を任せよう
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なんか夜のイメージと前に進むイメージが今一つリンクしないのですけれど、前向きな歌詞なんだと思います。
レインボーはスタジオアルバムを8枚出しています。その名の通り、虹が描かれているアルバムジャケットが多いんですね。そして、ライブのステージにも高さ9メートル、幅12メートルで、3,000個の電球を使った大掛かりな虹のセットが登場するのが定番でした。当時としては先進的なコンピュータ制御でちかちか光るセットでした。しかし、大きすぎて運ぶのが大変だったり、電飾が干渉して音にノイズが入ったり、極めつけは、リッチー曰く「俺たちの演奏じゃなくて、ファンが電飾を見に来るようになってしまったから」という理由で、虹のセットを使うのはやめたそうです。 そして、今、ライブで虹を使うアーチストと言えば、みなさんご存知の日向坂46です。アンコールの定番のJoyful Loveのとき、客席は虹色に替わります。名付けて虹色大作戦。客席一丸となってペンライトで虹を作ります。最近のイベントでは、演者プロデューサー側のリクエストで客席のライトの指示があることもあるそうですが、日向坂はファン発案で虹色が始まりました。2018年、今や恒例となったクリスマスライブで客席が虹色になったときは、日向坂メンバーの方がびっくりして見とれたというエピソードがあります。これは、曲のMVの衣装がカラフルだったことから、ネット上で「虹を作ろう」という提案があり、SNSでセクションごとにペンライトの色を指定したカラーチャートが出回ります。今ではアンコールの恒例になっています。ボクももちろん毎回やってます。すごくきれいなんですよ。